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日頃考えていることとか、読んだ本の感想とか

仕事と生活の分離から融合へ

COVID-19の影響で在宅ワークになり、既に半年が経った。

家で働くことで、仕事と生活がシームレスになった。 仕事の中に生活が取り込まれるし、生活の中に仕事が取り込まれる。 以前は仕事環境と生活環境が物理的に分かれていたことで、知らず識らずのうちに気持ちのスイッチをしていた、ということを初めて実感できた。 逆に言うと、今は気持ちのスイッチがしづらい感覚がある。

とはいえ、スイッチしづらい状況を払拭するのは在宅ワークをしている限りどうあがいても難しいんじゃないか、と思っている。 仕事と生活が分離していたことのメリットは確かにあるが、仕事と生活が一緒になることのメリットもある。 だから、私は仕事と生活を分離させようと考えるのではなく、融合させていこう、と考えるようになった。

本記事では、私がどのように仕事と生活を融合させているか、書いていく。

生活と仕事が両立しやすい環境をつくる

在宅ワークに移行したタイミングで、少し広い家に引っ越した。 かなり前に契約していたので、まさかこんなことになるなんて夢にも思わなかったが、タイミングとしてはバッチリだったのは我ながら運が良いと思う*1

家が広くなったとは言っても、家の中で仕事部屋を作れる程の余剰スペースを想定していなかったので、生活と仕事が入り混じった空間を作らねばならなかった。 ご飯を食べるところは作業をするところにもなるし、ミーティングをするところは寝るところにもなる。 つまり、生活がしやすく、仕事がしやすい環境を同時につくらねばならない。

いろいろな方の仕事環境を聞くと、仕事用の部屋を用意し、仕事用のデスクを用意し、外付けモニタを構え、何時間座っても疲れないゲーミングチェアを使っている人が多い。 中にはWebカメラにこだわる人や、据え置きのマイクを使っている人もいる。

私はこのどれも採用していない。 なぜなら、私の仕事環境は5秒後に生活環境にシフト出来るようにする必要があるためだ。 生活環境が脅かされると、自分の家がリラックスできない環境になってしまう。これは私の望んでいることではない。

だから、私は生活中心の在宅ワーク環境を実現した。 この環境の要件としては、以下の通りだ。

  1. 据え置きの仕事道具を設置しないこと
  2. 自分が機能面・デザイン面ともに本気で気に入った家具で溢れていること
  3. 家が常に整理整頓されていること

以下では、これらをどのように実現したのか、書いていく。

仕事道具を極限まで減らす

仕事環境からすぐに生活環境に、またその逆にすぐ移行出来るように、テーブルの上に広げるものは可能な限り減らしている。 業務中のテーブルの上にはいつも、会社から支給されているノートPC、AirPodsだけを広げている。 それ以外のものは極力収納棚にしまっている。

私は会議や1on1が割と多い人で、飲み物を取りに行きながら会話したりもするので、完全ワイヤレスのAirPodsはとても重宝している。 AirPods Proも良いらしいが、生活音も適度に聞けた方が何かと都合が良いので、むしろオープン型のAirPodsで十分満足している。 AirPodsの不満点は音質云々よりも、Lightningケーブルなことだ。 ノートPC・AndroidスマートフォンiPad ProがUSB Type-Cのため、可能な限り統一したい。 USB Type-Cのオープン型のAirPodsがもし出たら、将来的に乗り換えるかもしれない。

Apple AirPods with Wireless Charging Case

Apple AirPods with Wireless Charging Case

  • 発売日: 2019/03/27
  • メディア: エレクトロニクス

ちなみに、Podcastの収録や、前で登壇するときなど、ちょっと音声の品質をあげたいとき、 AirPodsの充電が切れてしまうときなどのために、有線のゲーミングヘッドセットを利用する場合がある。 有線はあまり好きではないが、必要な場面にその選択肢を取れるようにしておくのは大事かもしれない。

外付けモニタが無くても大丈夫か、とたまに聞かれるが、私の場合は大画面のモニタが無くてもそこまで作業効率が落ちる感覚は無い。 むしろ画面が大きいと目をあちこちに移動したり、首を移動しなければならないので、そちらの方が疲れる。

機能性もデザイン性も欲張る

仕事だけだったら機能に全振りしても良いかもしれないが、生活と融合するならばデザイン性もしっかり重視したい。 例えば、ゲーミングチェアは様々な部分が稼働するようになったり、メッシュ加工をしていたりして、長時間の仕事に向いている。 それらのチェアに対して、枕言葉のように人間工学に基づいた、とつくが、デザイン性を重視しているチェアも人間工学に基づいているものはある。

例えば、私は北欧デンマークのBo Conceptのチェアを使っていて、このチェアも人間工学に基づいている*2。 アームレストの高さも椅子の高さも変えられないが、この椅子に長時間座っていても全く疲れない*3

www.boconcept.com

上記のチェアは正直安いものではないが、機能性に全振りしたチェアも同じかそれ以上の値段がする。 ただ、このチェアは違和感無く生活にも溶け込めるというメリットが存在する。 仕事も生活も融合させるのであれば、デザイン性のある機能的な家具も一つの選択肢としても良いのではないだろうか。

整理・収納はプロに教えてもらう

仕事環境も生活環境も、整理整頓された空間が好ましいことは疑いようの余地は無いだろう。 とはいえ、私はあまり整理整頓が得意ではなく、つい雑然とした環境になってしまう。 何度かコンマリメソッドも取り入れたが、短期的には解決しても長続きしなかった。

なんとか出来ないものかと色々調べた結果、世の中には整理収納アドバイザーなる資格があることを知った。 引っ越した直後のダンボール山積みの段階で私の家に合ったやり方で整理収納をやってもらい、 さらにそのやり方を教えてもらえれば、メンテナスしやすく、きれいな状態を保てるのではと考えた。 そこで、くらしのマーケットに登録し、引っ越してすぐに整理収納アドバイザーに来てもらうことにした。

curama.jp

結論から言うと、整理収納アドバイザーを呼んだのは大正解だった。

整理収納に最も大事なのは、物を捨てることだ。 コンマリメソッドでも最初に服を捨てることから始まるが、捨てるという点は共通していた。 ただ、捨てるものについては、なかなか衝撃的だった。

まず言われたのは食器の水切りカゴだ。 え・・・これがなかったら食器洗ったらどこにも置けないじゃないか、となる。 でも捨てる理由はとても合理的だった。

食器を洗って水切りカゴに置いたら、絶対そこに放置してしまう。 そうすると、いつまでも水切りカゴに食器があふれることになり、見栄えがとても良くない。 そういう乱雑な状態が一箇所でもあると、部屋が整理整頓されなくなっていくとのこと。 さらに言うと、その水切りカゴは洗われないままなので、衛生的にもよろしくない。

うちには幸い食洗機がついていたので食洗機に全部任せること、というアドバイスをもらったが、 例え食洗機が無かった場合でも、捨ててもらっているとのことだ。 その場ですぐ拭いてすぐに特定の収納場所に収納すること、それが家が片付くための秘訣らしい。

ちなみに、この拭く作業も、キッチンペーパーのように使い捨てのものでやるのがコツだ。 キッチンタオルのように洗って何度も使うものは、洗う・乾燥させるという作業が発生するので、それだけでひと手間かかってしまう。 それにしっかり洗わないと衛生的でもない。 それだったらキッチンペーパーのように使い捨てのもので拭いて、拭き終わったらそのままシンクなどを軽く拭いて捨てる方が楽だし綺麗になる。

これらを聞いて、私はただちに水切りカゴとキッチンタオルを捨てた。

上記はほんの一例だが、整理収納の極意は、整理収納しやすく配置をして、とにかく日々のメンテナンスコストを徹底的に落とすことだ。 他にも様々なアドバイスを聞いた結果、メンテナンスがしやすい状況なので掃除の手間もほとんどかからなくなり、家を綺麗に保ち続けることが出来ている。

可能な限り家事を自動化する

仕事と生活の境界が無くなっていくのであれば、可能な限り生活の無駄な時間は減らしていった方が、 仕事にさける時間も多くなるし、生活の質も高めやすくなる。 だから、家電をうまく活用して、家事を自動化するのはとても重要なことだ。 代表的な自動化のための家電は、乾燥機付き洗濯機や食洗機だが、これまで散々語り尽くされているので、ここでは何も言うことはない。 私がここで強く推すのは、お掃除ロボットだ。

実は最近、ルンバの最新機種である、ルンバ S9+を購入した。 このお値段なんと18.7万円。いやいや嘘だろ、せいぜい8.7万の間違いじゃないか、と思う人が多いと思うが、何度見ても18.7万円だ。 これの前の最上位機種も14.6万円もして、それでも躊躇する値段なのに、さらに4万円も高い。

相当悩みに悩んだが、結果としてはs9+を買って正解だった。 値段が高すぎるので万人にオススメ出来るものではないが、以下のような条件に全て当てはまる人は是非清水の舞台から飛び降りていただきたい。

  1. 複数の部屋に分かれている
  2. 特定の部屋を掃除して欲しい
  3. ちょっとおでかけするタイミングで掃除をして欲しい
  4. ゴミ捨てを自分でやりたくない
  5. オシャレなルンバが欲しい
  6. 隅々まで綺麗にしたい
  7. 短い時間で掃除を終えて欲しい
  8. カーペットにゴミが溜まってしまっていて取れない

1~3だけであればルンバi7、4も含めばi7+、5~8も含めばs9+がオススメだ。 ルンバi7とi7+の違いはごみを自動で排出出来るかどうかの違いで、性能的には違いが無い。 s9+はさらにオシャレさと、吸引力をアップさせている(従来製品の40倍、i7/i7+の4倍)。

特に、最後の項目についてはとても強烈なエピソードがある。 私の家ではやんちゃ盛りのポメラニアンを2匹飼っている。 その2匹が暴れまくった結果、カーペットに毛が絡まってしまい、Dyson V7の掃除機でも吸い取れない程の状況だった。 しかし、ルンバs9+が掃除を始めた瞬間にあれよあれよと毛を吸い取り、買った当時のカーペットの状態に綺麗に戻ってしまった。 正直、ルンバs9+の吸引力にそこまで期待していなかったのだが、一気に信頼を置くようになった。

上記のような吸引力のおかげか、部屋の掃除は思った以上に早い。 5畳ぐらいの部屋であれば、10分もかからずに終わってしまう。 掃除する部屋や、掃除して欲しくない箇所もアプリで指定できる(これはi7/i7+でも同様)ので、掃除の早さと相まってものすごい効果を発揮してくれる。

ネガティブな面としては、吸引力が上がっている分、掃除しているときの音は正直静かとは言えない。 うちでは朝晩のわんこの散歩のときに実行して、帰ってきたら掃除が終わっているのでとても快適な仕事環境が整う。

ここまでルンバs9+を散々推してきたが、そもそも床にものが散らばっていて、それどころではないという人はいるだろう。 そういう人は、まず整理収納アドバイザーを呼び、家をある程度メンテナンスしやすい状態に持っていくことをオススメする。 ルンバを買ったら強制的に綺麗にするだろう、は確かに最初のうちはそうだろうが、メンテナンスがしづらい家ではいずれボロが出る。

在宅ワークは生活を破壊するのか?

在宅ワークによって仕事と生活のバランスを保ちづらくなった、という人は良く聞く。 仕事と生活を対立構造で捉えてしまうとバランスという発想になるが、私の場合は対立構造で捉えていない。 むしろ、それらは融合して、共存させるものだという感覚が芽生えている。

まだ在宅ワークをして半年程度なので、長く続けるとそうも言ってられなくなるのかもしれないのだが、今のところはストレスを感じず全く問題ない。 この状況で生活が一変した皆さまの少しでも参考になれば幸いです。

*1:私はこれまで運が良かったと本気で信じてる

*2:Webサイトに全く書かれていないのはもったいない

*3:Bo Conceptの社内の会議でもこの椅子を使っているらしい