Unknown Error

日頃考えていることとか、読んだ本の感想とか

今更だけれど1on1を整理してみる

リーダーやマネージャー、メンターやトレーナーなど、ピープルマネージメントする役割になったタイミングで、メンバーとコミュニケーションを取る1つの手段として、1on1を採用する方もいると思います。

とはいえ、いざ始めるにしても何から始めれば良いんだろう?何に注意したら良いんだろう?と困る人もいるだろうなと思います。 自分も最初はわけがわからず、見よう見まねでやっていたのですが、さすがに数百回以上やってきたので大分知見も溜まってきました。 この知見は自分一人で持っておくのはもったいないし、実際に、自分のところにも何人も相談に来るので、自分なりにまとめてみました。

過去の文献

頼れるたくさんの参考文献が既にあり、例えば以下のあたりが有名ですね。

d.hatena.ne.jp

ひとまずこの2つを読んでおけば、どういうことをやれば良いのか、何に気をつければ良いのかは理解出来ると思います。

自分のまとめ

上記の文献と書いてあることはかぶりつつも、以下は自分なりの1on1のまとめです。

1on1の種類

主に6つあり、1回の1on1で1種類だけの場合もあるし、6つmixになることもあります。 大事なのは目の前の人と何を目的に話しているかを意識して、どの型が適切かをリアルタイムで考えて進行することです。

1. 業務報告型

そういえばあれどうなった?みたいなやつ。 二人っきりでしか話せないことを本当はしたいので、普段から話せるのであれば、出来ればここに時間を使わないようにしたいですね。 ほとんどの1on1でこれにめっちゃ時間を使っているという方がいたら、その1on1を見直した方が良いです。 もし自分がこれをやるなら、業務的な話でごめんと宣言して、最初にパパっとやるようにしています。

2. ヒアリング型

自分が新しくチームに入ったときや、なんかうまく行ってないので解決したい、と思ったときにやります。 これまでの経緯や今の課題を個々に聞き出して、その後それらを総合して、チーム課題を見つけにいったりします。 本気でやれば一人15分ぐらいでなんとかなりますが、もやもやをたくさん持っている人だと60分でも終わらなかったり。

3. コーチング型

ジュニアなメンバー向けに、主にスタンス面のコーチングをすることが多いです。 例えば、チームの中での振る舞い、他者とのコミュニケーションのやり方、業務の進め方とか。 後は、それとセットで現時点での評価を伝えるのも大事ですね。 評価は数ヶ月に1回ではなく、可能な限り細かい頻度で伝えるのが大事だと思っていて、1on1は評価を伝えるのにうってつけだなーとは思います。(もちろんポジティブFBも一緒にね!)

4. お悩み相談型

悩んでいる人がいたら、どんな些細なことでも聞くようにします。指に刺さったトゲ一本が抜けないと辛いように、目の前にいる方は、他の人から見たら大したことが無いように見えても、すごく苦しんでいるのです。 相手の立場に立って、可能な限り親身になって聞く姿勢が大事です。

判定するのが難しい場合もありますが、悩みを聞いていくうちに、悩みをただ聞いて欲しいパターンと、解決策を見つけたいパターンのどちらかにあてはまります。 悩みを聞いて欲しいパターンは、あまりにも規模が大きすぎてすぐの解決が難しかったり、本人は悩んでいないと言いながらどんどん出てくる場合だったり、よくよく聞いてみると実はそんなに困っていなかったり(!!)、いろいろです。自分のやったことがイケてなくてそれに苦しんでいる、ということもあり、自分も辛いときもありますが、とにかく聞きましょう。

一方、解決策を見つけたいパターンは、考え方の糸口を一緒に探して欲しいというのももちろんあるのですが、実は自分の中で答えを持っている、という場合もあります。やるにはハードルが高くてちょっと面倒だけれど、その解決策が明らかにベストだというケースですね。そういうときは、あえて厳しいことやドキっとすることを言って本質をつくように自分はします。変化をするには痛みが伴うということを肌で感じてもらって、次に来るであろう解決策を取る苦しみを軽減させるという効果を期待しています。

いずれにせよ、口に発するだけで頭の中が整理されたり、すっきりしたりするので、とにかく壁打ち相手として付き合うのが大事です。 悩みは時間によって解決する場合もあります。その1回で解決しようと思いすぎないことが大事です。 何か前進はあった方が良いなあとは思いますが、そんなに焦りすぎないようにしましょ。

5. 呼び出し型

「ちょっと今来れる?」という怖いやつですw これが来たら結構身構えるので、もし大した話じゃないのなら、大した話じゃないんだけれどという前置きもしましょう。

じゃあ何を話すのかというと、その人がこれからやろうとしていることのキーパーソンだった場合の頭出しだったり、他の人に話せないプライベートな話だったり、契約周りについて緊急で話さなきゃいけないことだったり。

これをあまりやりすぎると、周囲にも不安が広がるのでやりすぎないようにしましょう。

6. フリートーク

自分と相談して解決に持っていって欲しいような課題はそもそも無いが、あまり話さないのもあれだから、まあなんか話そうぜ、ってやつですね。 Willを語ってもらったり、最近はまっていることとか聞いたりして、ゆるーく会話します。

この型を選ぶのは、自走が出来る人の場合もありますが、ソウルジェムが濁りきっていてもはや魔女になるやり方すら忘れている人の場合もあります。後者の場合は、とりあえず思っていること/考えていることを吐き出してもらいます。その人もびっくりするぐらいあれよあれよと出てくるでしょうが、とにかく聞きましょう。そうやって一通り吐き出してもらうと、ちょっと心に余裕が出て来るので、2~4のパターンに行くのがスムーズになります。

気をつけていること

ただなんとなく話しても、せっかくお互いの貴重な人生の時間を使っているのにもったいないです。 可能な限り有意義な場とするために、自分は以下のことを気をつけています。

1. 相手のための時間とする

こちらの意見を伝えたり、お願いをしたり、はあくまでおまけと考えます。1on1でしかできないお願いとかもあるのでゼロにする必要は無いですが。

2. 相手が望んでいることを見極める

人によって、タイミングによってモチベーションポイントが異なるので、自己成長を求めているのか、仕事の進み具合の円滑化なのか、望んでいることを見極めます。話をしている中で見極めるのも大事ですが、直接聞けそうなら聞いちゃいます。

3. 対等な関係性として話す

上下関係があると話せることに制限ができちゃうので、それは可能な限り排除して話すようにします。あくまで一緒に仕事をするパートナーとして、話します。まあ普段から心がけていることですが。

4. 相手にとって有意義な時間にする

悩みを聞いて心を晴れやかにしてもらうのも大事ですが、何らかの気づきを与えられるようにします。第三者の冷静な意見が、解決の糸口になる場合がありますからね。

5. 1on1をやっていれば物事が解決していくと考えない

1on1をすることが目的化しちゃだめですね。あくまできっかけ作りでしかないので。ただ、物事を解決出来るかどうかは、本人次第な場合もあることは認識しておきます。

6. あまりにフリートークが続くようであれば頻度を落とす

その1on1が正しく価値につながっているか、振り返るのは大事です。とはいえ月に1回15分でも話す機会はあっても良いかと思いますが。

7. すぐ解決出来る問題はすぐやる

何かを購入するとか、お金で解決出来る問題とか、承認するとか、そういうたぐいのものは一瞬で解決しましょう。特にあまり仕事をしたことがない人とするときは、信頼関係を構築出来ていないので、そういう小さなことをすぐに解決するという姿勢を見せるのが大事です。

最後に

いろいろ書いてきて、戦略的にやっている風ですが、実際はそんなこともないです。 結局は目の前にいる人とどう向き合うか、なので、貴重な時間を価値ある時間にしていきましょう!