第6回「スクラム現場ガイド」読書会に参加して来た
記念すべき本ブログ初投稿記事は、スクラム現場ガイド読書会のレポートです。
スクラム現場ガイドとは?
スクラム現場ガイドは、現場で起こりうる困った問題が物語で書いてあり、そういう困った問題が起きたときにどう対処すれば良いのか、が丁寧に書かれている本です。
スクラム現場ガイド -スクラムを始めてみたけどうまくいかない時に読む本-
- 作者: Mitch Lacey,安井力,近藤寛喜,原田騎郎
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2016/02/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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スクラムって勉強する分にはすごくうまくいくような感じがしてしまって、よっしゃやってみよう!って導入したら、必ず困った問題に直面するんですよね。例えば、割り込み作業によりスプリントプランニングで約束したことが守れないとか、プロダクトオーナーが忙しすぎるとか。導入しようとした人がスクラムマスターになるパターンが多いと思のですが、「うわー自分スクラムマスターとして全然なってないなー。うちのチームに向いてないんじゃないか。」とか思ってすごく悩むと思います。さらに組織(会社)の中で自分のチームしか導入していないと、誰にも相談出来いし・・・。本書は大抵の悩み事の対処方法が書かれているので、そういう方に是非おすすめです。
なんで読書会に参加したの?
自分も現場でスクラムを導入して困っている人の1人で、現場で起こっている問題を一緒に議論出来たらいいなあと思ったので、読書会に参加しました。実は今回で3回目の参加なんですが、参加者同士で熱い議論が交わされるのと、川口さん(id:wayaguchi)の鋭い意見が面白く、毎回楽しみにしています。現場で起こっている問題の大半って、その組織/チームの抱えている本質的課題だったりして、スクラムがそれをただ掘り起こしているだけだなあと、毎回参加して思います。
第6回 読書会の概要
参加者は13名で、Gaiaxさんの会議室をお借りしました。
読書会では以下のように、知識構成型ジグソー法をアレンジした方法で進行します。
パート1: 章ごとグループに別れて内容を読み、グループ内でその章の内容を確認します。
パート2: 各グループの代表が一人は入る形でグループを組み換え、各章の内容を他の人に紹介します。
パート3: 全体で各章の内容や発見をふりかえります。
読書会の内容
今回の読書会では以下の3章を読むことになりました。
- 20章 新しいチームメンバー
- 21章 文化の衝突
- 22章 スプリント緊急手順
私は22章のスプリント緊急手順を読みました。20章のと21章は普段からやや注意を払っていることですが、22章はこれから発生する可能性があるかもしれなく、深く考えてみる・議論するのに良い機会だと思ったためです。
想定外の事象が発生してスプリントゴールを達成するのが難しくなりそうな場合、以下の4つの選択肢があります。
- 障害を取り除く
- 助けを得る
- スコープを減らす
- スプリントをキャンセルする、中止する
1~3はわかるのですが、4の"キャンセルする"が、文字通りの意味でびっくりしました。スプリント中でやっていたものを全て捨て去って、前のスプリントでやっていたところまで元に戻すということが書いてあったからです。こうする理由が、スプリント途中までやっていたことが使えるかわからないし、スプリントゴールと紐づいてしまっているコードは余分なゴミだから、というもの。自分だったらなんかもったいなくてそんなこと出来ないだろうなあ、少なくとも状態を見て本当に捨て去るべきか判断するだろうなあ、というモヤモヤが残ってしまいました。
あとは、3の"スコープを減らす"はついやりがちですが、"スコープを削減すると、信頼関係がむしばまれる"、というのは確かに。自分のチームでもついやりがちな現実をしっかり見て改善しないといけないなあ、と脳内TODOリストに入れました。
この本に書いていなかったことでその他にやりそうなのは、"気合いで解決"ではないかと、参加者で議論になりました。要は残業で対処、ですね。悪いやり方だと感じていながらついこれをやってしまうのは、真面目な日本人だから仕方ないのではないか?と意見が出ました。ただ、それは良くある「うちではXXという理由でアジャイル開発は出来ない」というのと同じで、出来ない理由を探しているだけなのではないかと思いました。グレートな状態になるためには、そういう本質的な課題に向き合わないと何も変わらないんじゃないか、と。
次回
今回はGaiaxさんの五反田オフィスでの開催だったのですが、本社移転するため、次回は永田町の新オフィスで開催します。まだ日程は決まっていないですが、スペシャルゲストも呼ぶとのことで今から楽しみです!